FXの知識 介護福祉士で1型糖尿病のレビューとつぶやき帳-洋画-
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2013年05月25日(Sat)

スキャンダルの天才/2005年(日本未公開)/イギリス・ルクセンブルク

カテゴリー:洋画記事編集

スキャンダルの天才
※アマになかったので、ワーナービデオのページへのリンクです。

<あらすじ>

扇情的なタブロイド紙、ラグの編集長を務めるエディ(ルパート・グレイブス)は、会社会長(マルコム・マクダウェル)の妻でもある副編集長の、MJ(ジェニファー・ジェイソン・リー)という米国出身の女性と不倫関係。
ある朝、会長から不倫の事実を知っていると突きつけられるエディだったが、時は米国大統領選を控えており、まずはミーティング。
うちの新聞ではほかと同じ事はしないと、大統領選ではなく君主制批判を展開しようとするエディに、MJは強く反発する。
ミーティング後にエディとMJは、社内の休憩室で逢瀬。会長からの電話については言い出せぬままにエディは別れを切り出した。実のところ社内不倫は社内のほとんどの知る事実であり、その内容は盗み聞きされているのだが…。
クビを恐れたエディが、部下たちやモーフィングの得意な写真家モーフ(イアン・ハート)、元妻でラグよりも品の良い新聞社で記者をしているピーチ(ケリー・フォックス)と、会長を陥れる画策を始める。

<感想>

面白かった!
ヨーロッパ的なブラックコメディ。
シニカルだしサスペンス要素もある話。

しかし、たぶん、臨場感を煽るための演出なのであろうけれども、カメラワークがものすごくて、最初の30分は、食後すぐだったこともあって、ちょっと気持ちが悪くなりそうなほどでした。
でもね、先がどうなるのか知りたいほうが勝って30分ほどの車酔いになる手前のような感じも、乗り越えることが出来ました。
これさ、映画館の大画面で見た人は相当酔いそうになったんじゃないかしら。大きい画面だと、逆に大丈夫なのか??

でもね、時間が経つに連れ、やたらとゆらゆらしたり切り替わったり白黒になったりという手法も、そんなに見づらくなくなってくるの。
手法自体はずっと続くのだけれどもね。今、場面を思い出そうとした時には、通常っぽい具合に変換されて思い出せるぐらい。

いえね、あたしが英語の分かる人だったら、ルパート・グレイブスが出ているから見たのであるのにもかかわらず、そんなに画面を注視しなかったかもしれないほどに、最初は酔いそうになります。

さてさて。
まあとにかく、不倫相手のMJを、なんと言いましょうか、遊びも仕事も区別を付けられない公私混同したイヤな女、と思いながら見たのはきっと、エディに肩入れしていたというのもあるんでしょうけれども、それにしても多分、彼女は会社内では少々、受け入れがたい人間であって、それが君主制支持者であるからというだけではないとは、思うんですよね。
エディとの不倫を知っている部下たちが、エディの方へつくのも、みんなが反体制だからってわけだけではない。彼女や会長に好きにさせたくないから、というのが大きそう。

ブラッックコメディと呼ぶには、悲しい物語だと思われる方もいるだろうなとは、以前にほかの方の書かれた別の英国コメディへの感想で、あたしの感覚ではそれほどブラックではない、むしろ英コメディのお約束的場面に批判的意見を読んだから、一応書いているんだけれども。

コメディとはいっても、確かに登場人物の一人は、あまりにも悲劇的。
とはいえこの皮肉な展開はコメディなのでしょう。
笑いどころも多いし、衝撃的な展開を締めくくる最後のシニカルさは、コメディであるからこそかな、と。

悲劇はシニカルな展開に必要であった、というか。
小さな出来事が大きくなって一人の人間を破滅させるに至った非情な具合と、後悔しようとなんだろうと、世の中は普通に回っていく非情さや下世話が、ピリッとしている。
唇についてなんて、もう本当、下世話。

にしてもタブロイド紙を買う層にとって、王室叩きは娯楽の一種なんでしょうか?
ダイアナ妃に関する見解や、カミラ大公妃への見解などは興味深い。
ファッション欄担当で、この人もエディとそんな中なのかい、ってな感じのサリーの、ビン・ラディンについての話も、どこまで本気なんだ、この姉ちゃん、ってな具合。
彼らのミーティングは異様な熱気で、反体制であることを貫こうとしているのでした。
マスメディアのメインではないところで、大きく成り上がりたい、とでもいうんでしょうか。

モーフの、え、運転手として潜り込むというのに車の運転から練習してるの、というあたりや、ただのでっち上げ写真の人なのではなく、やはり彼は確かな目を持ったカメラマンなのだよなってな、ラストへと向かっていくキーを拾い上げる感覚も面白いところ。

結局のところ、最悪の事態の元凶となった不倫を、誰が会長にリークしたのだろうってなあたりは良く分からんかったものの、エディの人生に汚点を付けないためにした行為がとんでもないことを引き起こし、その点については収束したとはいえ、罰を受けるべき人間が本当に罰を受けたのかは分からないし、罰を受けるべきだったわけではない人間が全て背負ってしまった具合。
このあたりは見て確かめたほうが面白いと思うから詳しく書かないけれども。

まあとにかく、こっそりと不倫を盗み聞きして楽しんでいた人々は会長にリークしないだろうし、MJにしてもエディを物凄く愛していたのだと嘆き悲しんでいるから彼女ではないだろう。
まさか会長が、反体制的なエディを切りたくて嫁を差し向けたとは到底思えない「理由」もある、ような気がする。この点に関しては多分、会長はそういうことはしないと思う。
あまりに扇情的に新聞を売ろうとしていたエディに反発してチクった人がいるってこと?
米国人の若き会長の妻を快く思わぬ人がいたってこと?

マルコム・マクダウェルは『CSI:マイアミ』でもクセのある爺さんをやってましたが、この話ではただの爵位の欲しい爺さんかと思いきや、ってなあたりがね、この人っぽいので良いような気がしました。

この人っぽい気がすると言ったって、あたしが見てるのは『ifもしも…』『時計じかけのオレンジ』ぐらいなのだけれどもさ。
でも二本ともシニカルコメディ的な要素があったあたり、爺さんになってもそういう感じなのかな、ってな。

にしてもだよ。
エディの元妻は不倫相手より年に見えるのはともかく、老けているんだよなぁ。
いつもルパートの映画やらドラマを見るたびに、奥さん役の女優に思うんだけれどもさ、ありゃ、どういうことなんだろうか。あたしの中の青春補正?
ちなみにその後検索したら、奥さん役の方よりも不倫相手の女優さんのほうが結構年上だったんで、やはりあたしの青春補正なのかもしれんです。


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2013年04月08日(Mon)

ケンタッキー・フライド・ムービー/米・1977年

カテゴリー:洋画記事編集


ケンタッキー・フライド・ムービー [DVD]ケンタッキー・フライド・ムービー [DVD]
(2002/11/22)
ドナルド・サザーランド、ジョージ・レーゼンビー 他

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アメリカ産のコメディ映画。
監督は「サボテン・ブラザース」「アニマル・ハウス」「スパイ・ライク・アス」「ブルース・ブラザース」「大逆転」を撮っていて、脚本家たちは「フライング・ハイ」「裸の銃を持つ男」「殺したい女」「ホットショット」の監督や脚本をされている。

カルト的人気を誇るコメディ映画、という評判だけは昔から知っていたし、監督や脚本家たちの手がけたものを見るに、期待はずれには終わらないだろうと考え、なんとか借りたいとツタヤディスカスで予約を入れていたものの、なかなか空きが出ずに借りられぬまま時が過ぎ、しかし去年の終わり近くになって、ようやく順番が回ってきたのでした。

しかし、届いたのと時を同じくして母が入院してしまい、どういったものかよく分からぬコメディをそんな気分で見ても楽しめないだろうと、長らく保留し続けていたものを、春先になってやっと見ました。

期待が大きくなっているから、ちょっとどうだろうね、と思いつつ鑑賞。
スケッチ(コント)集といった趣。

全体的な印象は、モンティ・パイソンを大味にしてみました、というノリ。
テレビのキャスターが頻繁に出てきて、つなぎの代わり的コネタもあって、オエッって感じのお下劣ネタも有り、セクシャルなネタも結構含まれている。映画や映画予告のパロディネタもある。動物虐待風味ネタとか、法廷パロとか、大したことではないものを大げさにしてみせるとか、大したものを矮小に見せるとかね。

映画予告パロディでの製作者の名前がブロンコウィッツなのも、なんとなくユダヤ系の苗字なんではないかとも思うので、そういやパイソンにもユダヤ系の大成功した映画製作者ネタが有ったよな、とかね。

しかしモンティ・パイソンよりは薄味なのです。
いえ、笑いましたよ。
基本、好きなテイストです。
でも、間延びした部分が多い気もする。

冒頭のニュース番組のパロディ、石油不足解消にニキビから油をしぼるというレポートから、違う話題でのレポーターがマイクがつながっているのに気が付かず鼻をほじっていて、何くわぬ顔でスタジオのキャスターが他の話題に移し、推進派過ぎておかしな女が出てきてみたり、しかし話題が戻ってもまだレポーターが尻をかいていて、なんて流れなんか、こうして文章にしてみると、パイソンにあってもおかしくない気がするんだけれども。

あたし的には星占いのコーナーのバカバカしさが面白かった。
その後、二段構えになっていたし。
ここから、ゴリラのオチまでの流れは、わりとシャンシャンとつながっている気もするのだけれども。
ここでつなぎらしきものがちょこっと入ってから、映画予告パロ。

ブロンコウィッツ氏製作の「カトリック女子高生の災難」。
危ないことして、と言われた男が、女子高生に対してアホみたいな振る舞いをしたりってあたりは吹いた。

シュールな、女子高生を鞭打つピエロ姿の小人だとか、裸でソファに横並びに座って、真ん中の子が端の二人を紹介しあう様子を見ていてね、全体的に、デジャヴ感。
その場面と同じ物を見たわけではないんだけれど、同じ空気感のものを見たな、という気持ちに。

脚本家さんや監督さんが、どのくらいモンティ・パイソンに影響を受けているかわからないのだけれども、アメリカの人がパイソンをアメリカっぽく解釈して制作した映画なのかな、と思う。
どのネタも、あのスケッチに似ている気がする、この役者さんの衣装とか演技の雰囲気というか演出とか演技なのかな、ってのが、やっぱりどこかで知っているものに近い、ってのがね、なにかしらあるんです。

危険な映画館のネタに、ちょいと挟まる頭痛薬ネタ、その後のトーク番組パロディも、全体的にクスっと笑えるし、時にあははと笑えもするしで、面白く過ごす。
その後にまた出たセクシャルなレコードネタは、最後のオチが面白かった。
続く核戦争ニュースも、頭痛薬の開発も、ほのかにパイソン風味なのです。

にしても、アメリカ人は頭痛薬が大好きなんだろうか??
悪臭についてのネタは、そういえば高校生の頃に読んだアメリカ人にアンケートをした結果集のようなものに、制汗スプレーを使用していない人と一緒の職場に入られないと答えた人の割合が、相当高いことに驚いた思い出があるので、変に納得したw
そういやパイソンにも、アメリカ人がやたらと制汗スプレーを使うネタがあったなw

その後、この映画で一番に長い、ブルース・リーのパロディ。
ニューヨークが映っているのに香港という字幕が映っていたり、悪役の義手だとかね、首を跳ねてから拷問にしろ云々とかさ、やっぱりどこか、知っているもののような雰囲気。
でも、同じ物を見たことがあるわけではないから面白くはあるのです。

そういえば悪の施設を案内するお姉ちゃんと観光客、これはある意味イギリス人がアメリカ人をパロディした時に描きそうな風景のような気がしなくもなく。

玩具のロボットがなかなかの高性能だったり、サイレンを人間が、ちゃんとその仕事につく人として口でやってたりってな具合の、馬鹿馬鹿しい辺りが面白かった。
レコードネタのオチが有効活用されたのが結構ツボだったかも。

最後のオチが意外すぎて笑ったwwww
変に長いパロディだなぁ、面白いところもちょくちょくあるのになぁ、と思っていたけれども、このオチはアホらしくて良かった。

坊さんのパロディがあって、11時のニュースが挟まり、その後の、モノポリー風味の大統領暗殺ゲームに吹いてしまった。
さらにブロンコウィッツ氏の映画予告が来て、死者の権利を守る会の主張。
2つともに強烈なデジャブ感がある。

次に、ちょっと長目の「大法廷」という番組ネタ。
クイズ番組形式で法廷そのものが進んで行くような感じ。職業当てをしたり。
あたしの中では、観客のアホっぽい子のその後が出たのが面白かったかも。
しかもどーでもいいような報告なあたり。

でもって、また映画予告。
こういう映画ってありそうなのでは、って気持ちがしなくもないww

その後の、酸化亜鉛とあなた、というネタが、結構なツボでした。
スピードがあって、相当取り返しのつかぬ状況になっていく辺り。
次に来る、危険を顧みない男のネタも、短くてピリッと締まったもので面白い。

最後のネタは、テレビのこっちと向こう側とエロス。
オチは、核戦争やらのニュースをちょこちょこと伝えていた、11時のニュースのキャスターのコメント。


なんかさ、この感想だとそんなに面白く無いと思われてしまいそうだけれども、面白かったんです。なんとなぁく既視感があったり、なんとなぁく冗長に思える部分があったり、ではあったものの。

全体的に、すごくストレートなパロディなんだな、という感想。

それと、毒を含んだネタも有りはするのだけれども、いまいち毒素が足らない。
エロスネタもどこか、ネタに面白い部分もあるんだけれども、なんだか女の子のおっぱいのほうがネタなのかしら、とでもいう塩梅。

パロディにした対象を強烈に笑いの目してやろう、というほどの強烈なものを感じないというか、なんでもかんでもパロディにして、毒々しくしてやろうという雰囲気は感じられず、死であったり人種差別であったりを扱っても、そこから感じるものは取り立ててないかな、と。

でもね、くだらないけど面白い。
そういうのが好きな方にはおすすめの映画でした。

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2010年04月15日(Thu)

セッション9(米・2001)

カテゴリー:洋画記事編集

セッション9 [DVD]セッション9 [DVD]
(2002/12/20)
ピーター・ミュランデヴィッド・カルーソ

商品詳細を見る


○あらすじ○
19世紀にたてられ80年代前半に閉鎖されたダンバース州立精神病院の改修工事前のアスベスト除去作業を請け負ったゴードン(ピーター・ミュラン)は、他社に仕事を取られたくなかったために1週間で工事を終えるという条件で仕事を請け負ってしまった。相棒のフィル(デヴィッド・カルーソ)は3週間の仕事だと見積もっていたし、ゴードンも早さよりは安全確保の仕事をしたいと考えていたはずだったのだが。
仕事のメンバーは5人。社長でもあるゴードン、その片腕で仕事の割り振りなどもしているフィル、フィルの恋人を横取りしたトラブルメイカー的なハンク、6年前はロースクールに通っていたが弁護士になりたいとは思えずに今の職についているマイク、ゴードンの甥のジェフ。
ある日の作業中、落ちたブレーカーを直しに行った先でマイクはNO.444と呼ばれていたメアリーという患者の診察テープが取り残されているのを発見し、夢中で聞き続ける。メアリーは多重人格患者であり、子供の頃に起こったなにかによって、大きな心の闇を抱えているらしかった。
そんな中、ハンクが姿を消してしまった。ハンクの現在の彼女で自分の元彼女へとフィルが電話をすると、大金が入ったのでマイアミに行って来ると出て行ってしまった、という。ハンク以外の人間は知らないことだったが、ハンクは前日、作業中に偶然、壁に埋め込まれたコインを見つけており、夜になってから残りのコイン、金歯、義眼といったものを掘り出しに出ていた。

○感想○
以前に「ザ・ネゴシエーター 交渉人」の感想記事を書いた時にも書きましたが、あたしは「CSIマイアミ」のホレイショ・ケインが大好き過ぎるほど大好きなのです。
というわけでホレイショ役のデヴィッド・カルーソ出演作品だから鑑賞しました。
このところ小説版の「CSI:マイアミ」の1冊目を読み、以前に録画したマイアミを見たり、昔に買ったCSIシリーズのファンブックを読み返したりしていて、ホレイショへの熱狂がぶり返したのでしたが、今日、公休なのでなんとなく出掛けた近所のスーパーでやっていた中古DVD売り場で見つけたので購入しました。
以前から気になっていたのでワクワク。
ちなみに本家の「CSI」(ラスベガス)でブラス刑事をやっている役者さんの演じる、役所の人間から工事の仕事を請け負います。
注意:ここから先は完全にネタバレ含みます!





一言でいうならば、多重人格者というほどの精神障害を起こしていなくても、精神疾患を診断されたことがなくても、人の心の中には暗い人格がちょっとしたきっかけを捕まえて出てこようと潜んでいて、普段ならば想像も出来ないような恐ろしいことをやってのけろと背中を押してくることもあるんだよ、というお話。

一言で表すならば、これでは長いよね。
クレイグカワイソス
でもいいかもね、一言だったらwwww
最後の最後にやるはずのなかった仕事に関わったばっかりに、不幸なおっさんだ。

仕事をどうしてもとらなければならないという焦りと、そんな状況であるにもかかわらず乳飲み子を抱えてしまったという焦り、しかも赤ん坊は耳に異常があるらしいという焦りが、まだ犯罪を犯してはいなかったゴードンにサイモンの声を聞かせてしまったのでしょうか?
工事を請け負ったお祝いの花を買ったあとに事件が始まったものの、工事を請け負うために交渉していた時にはすでに彼の精神は異常な状況に陥っていたんだよ、ということなのかしら。

というか、非常に良く出来た話なのだけれども、サイモンの語りかけをゴードンが聞いてしまうことで、サイコサスペンスなのかオカルトなのかちょっと曖昧になってしまっているんですよね。
いらなかったんじゃないのかな、サイモンの声が聞こえてしまうくだりは。
なかったとしても、人の心には常にサイモンのような存在が潜んでいるのだよ、という恐怖を与える作りには出来たのではないのかな、と思うのですけれどもね。

マイクが急ぎの仕事の合間だというのに聞きに行くメアリーのセッションテープが不気味さを盛り上げますが、重人格は別段、工期中に起こった事件とは関係ありません。
ていうか、ゴードン、どんだけデリケート親父なんだ。罪を犯して精神が不安定になっていたんだろうけれども、マイクとジェフの昼食時のやりとりに影響されるわ、工事を請け負った時に聞いた話にも影響されて壁に写真を貼りまくるわ。

本物の迫力とでもいいましょうか、廃墟は不気味です。
撮影許可の下りた場所が全域ではなかったのかなと思う程度にしか、様々な場所が映ったわけではなかったのですが。だいたい同じような場所で撮影している様子で、1週間の工期でこんなにも広い建物のアスベスト除去をちんたらと3~4部屋ばかり頑張って、たったの5人で終了できるのかという疑問もありましたが。
フィルとゴードンは作業服を着ている姿は映っていてもほかの3人ほど作業シーンもなかったし、他の3人にしても、いつまで同じ作業してるんだよ(いや、アスベスト除去の作業を知っているわけではないですけど)程度の働きぶりで、ゴードンがキレるべきはまずそこだろう、なんてwww

みんながそれぞれに心の中に闇を抱えている点を、もう少し強調したほうが怖さが盛り上がったかも。
フィルは彼女を取られてハンクを疎ましく思いクビにして欲しいと提案しながらも、昼休みにスクラッチくじを買って来てあげる程度には人間関係を壊さないようにしているし、マイクは肉体労働者になりはしたものの知的好奇心を満たすことに貪欲であり、また知的労働者への道を歩みたい。ハンクは今の仕事の危険性を十分に承知しているし、ジェフは仕事を始めたばかりの年齢だというのに、叔父さんの仕事が順調ではないことをハンクから聞かされている。ゴードンはといえば、この仕事が取れなければ実は会社はつぶれていたというほどに仕事がうまくいっておらず、赤ん坊が生まれて以来様子がおかしいということをフィルが気にしていたわけですし。

終盤に差し掛かる頃に、フィルがマイクにゴードンの様子をあまりにもおかしいと言い、仕事を円滑に終えるには自分が指揮をすべて取るしかないと話す場面の説得力が、いまいちな気がするんですよね。
確かに前日に、妻を殴った、という告白を聞いてはいるし、ハンクがジェフに語ったところによれば、赤ん坊が生まれるまでのゴードンは禅の修行者みたいで怒るところを見たことがなかったそうですから、イライラと精神不安定なゴードンの様子はフィルにとって大きな脅威のように感じられたのでしょうけれども、なんだかフィルも精神不安定なのかな、という様子になります。
話さないと約束したことまでをもマイクに説明して緊迫しているんだということを伝えたいフィル、というほどの緊迫感を、話を客観的に見ているこちらが感じないかな、と。

まあね、最初からゴードンの「育児疲れ」を感じており、しかもほぼ共同経営者的立場にあるらしいフィルにしたら会社の傾き具合も承知しているから、緊迫してはいるんだろうけれども、だったらもっと作業をちんたらやってはいけない雰囲気に職人たちを追い込むゴードンなりフィルは描かれるべきだと思うんですよね。
ゴードンがやたらと昼飯を気にするのは疲れを強調するためなのかな?

多分、製作者は最後の最後までフィル犯人説を観客に信じ込ませたいという意図があったから、ゴードンの異常を全面的に出さなかったし、フィルがマイクを説得する場面も、なんだか説得力のない気がする様子にしたのでしょうけれども、なにかもうひとつ、緊迫感があっても良かったかな。
心理的な部分は、なんとなくみんなが漠然とした不安や不満を抱えている、という描写があるけれども、作業に絡めてその苛立ちをもっと強調してみるとか、ね。

ゴードンがすでにフィルを殺してしまったあとに見たフィルの幻覚に、まるでフィルがハンク殺しの犯人であるかのように聞かされる話は、ゴードンの気持であるのでしょうから、もしかしたらゴードンは奥さんと赤ん坊の死体をあそこに隠していたのでしょうか?
でもなにか、ラストになるまで彼は妻と赤ん坊を殺してしまった事実を、メアリーのように心の奥深くに封印していたような節もあるのですけれども。

だから作業員がひとりでフラフラすることを嫌い、もしかしたら隠した死体を見てしまったのかもしれぬハンクに、暗示を受けるようにアイスピック療法を施してしまったんでしょうか。
それとも、ハンクがトラブルメイカー過ぎるというフィルの主張をそれなりに汲むべきなのかもしれない、ということを彼は潜在的に思っていて、夜中に作業場へ戻ってきた彼を、「いるべきではない場所に来てしまった」と思って、大人しく従順な人間にしてしまおうとロボトミーを施したのでしょうか?
そういやフィルが病院に入り込む不良少年たちと話すのを見たゴードンが、理由の良く分らない怒りを表したのって、あの場所に死体を置いていたから、なのかしら?

単純に、最初の段階では描かれていたはずの得体の知れぬ何者か(本編には出てこない老女の浮浪者)の存在をフィルが演出して自分を追い込もうとしていると、ゴードンが被害妄想的に思った、という具合のシーンで、でも浮浪者シーンがカットになったから、なんであんなことで怒るのか良く分らん具合になっているのかなぁ、とか。

あ。
なんでジェフが発見した時のハンクは服を着ていたのに、フィルが発見したハンクは裸だったんだwwww
謎すぎる。

というか、なぜゴードンはハンクを素直に殺さずにロボトミーを施したのだろうか?
これまた暗示にかかりやすい繊細なオッサンすぎるせいで、フィルがハンクを悪くいった部分を「手術すべき人間」ととらえたうえに、場所が場所だから、ってことなのかしら?

これね、多分もっともっと、描くべき部分があったのではないのかなとも思うんですよ。
あの簡潔さでも十分雰囲気のある話ではあるし、あたしとしては「もうひとつのラスト」にあった、入り込んでいた老女浮浪者にゴードンが殺されるラストは別段必要のないもののような気がしたので、簡潔であることが大切なのかもしれませんけれども。

そうだ。
唯一、あの病院で過去に生きていた患者の声を聞き、興味深い症例をカルテでも確認したマイクが終始全く冷静な観察者のようであったのだけれども、あの人がさらにもっと冷静な観察者として話に介入し、危機が迫っていることは察知出来ているものの、自分が指揮を執るという以外の選択を出来ないでいるフィルと組めたら、なにか打開策はあったんじゃないのかなぁとか考えちゃいます。

なんかね、オカルトサスペンスとして見る場合、病院に足を踏み入れたことによってゴードンひとりが「ひぐらしのなく頃に」における雛見沢症候群のような症状を呈して、惨劇が始まってしまった、というようなお話でした。

だから多分、視点を「ひとりだけ異常になってしまった」ゴードンに据えて鬼隠し編みたいに進めていって、最後にゴードンだけがおかしかったのですよ、ということを見せたほうが、ゴードン以外の人間が異常者のようにみえて怖かったんじゃないかしら、とか。
ネタばらしのために誰かを残すとかして。

結局のところ、みんなは悩みを抱えつつもまともだったとはいえ、ハンクはいい加減な男ってだけだし、マイクは知的好奇心を満たすことのほうへの興味のほうが大きくなってるしで、ゴードンの異常と仕事の両方を心配していたのはフィルとジェフだけだったのかな。

ジェフは血まみれの叔父さんが近付いてきても異常を感知できなかったし、フィルはハンクからゴードンのやったことを聞いてもわりと無防備に、ハンクのことが嫌いだったとはいったってあの状況のハンクを見ている上にゴードンの異様な様子も察知していたのにも関わらずなお、半信半疑でゴードンのところへ戻っているし、まさかゴードンがハンクに対して(最初のほうでフィルがハンクをクビにしたがっても聞き入れなかったし、ハンクもゴードンを怒らない男だと言っているぐらいだから)なんらかの怒りや不満を感じてことに及ぶなどとは想像できないことだったのかもしれないほどに、ゴードンという男を信頼していたのだろうから、ゴードンの人柄をもう少し出したほうが良かったのかな。あまりにも二人が無防備。
二人、というよりは、フィルかな。

ゴードンの側からみるとかなり怪しげに見えるフィルだけれども、彼は冷静な人間であり、仕事のためになら私情をはさみたくてたまらない部分にもどうにか目をつぶる男として描かれているのだから、あの時点でなにかとてつもない事態が起こっているのだと察知して、警察へ行く選択も出来ると思うのだけれども。
彼はゴードンの見た幻覚のようにはハンク以前に犯したゴードンの罪を知らないのだし、腕のいい職人に伝手もあるみたいなのだから、あそこで会社が大変な事態に陥ってしまうと思ったとしても、警察へ駆け込むべきだったんじゃないのかしら。

だって目のわきに鉄の棒を刺された人間を見て、ロボトミーの話も知っていて、尚且つハンク自身がゴードンにやられたと話していたのだから、ゴードンのところへ行くのは賢明ではなさ過ぎるもの。

面白かった、でもなにかもうひとつ足らないものがあるような気がする、という話。
殺人も、最初の妻子殺しはまあ置いておくとして、あまりにもトントントーンってな具合に進み過ぎてるから、もっとじわじわと人がいなくなるとか、トントントーンのあとをもう少し広げるとかすりゃいいんじゃなかったのかなぁ、なんて。
にしても、最後にやってきた腕のいいオッサンは、ゴードンの異常を察知できる立場ですらなかったのにいきなり殺されちゃってお気の毒でした。

なお蛇足ですが、ロボトミーをもっと詳しく知りたいかな、なんてググったら、「ロボトミー殺人事件」なるものが日本で起きていたことを知ってビックリ。
ある男性が反抗的だという理由で騙されてロボトミー手術を受けさせられて、精神病院を退院後に元の職場に戻ったものの、文章を書く職業であったため手術の影響で感受性が鈍ったりしてうまくいかずに退職、その後は通訳をやったりして、しかしなんやかやあって、ロボトミーの問題点を世間に知らしめようと、手術した医師の妻とその母を殺害したんですって。医師は不在で助かったそうで。
思っていたほどには廃人にならないものなのかしら、ロボトミー。
ていうか、殺人犯しちゃうのね、ロボトミー受けても。
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2009年10月06日(Tue)

最近のお買いもの・5:マルクス兄弟珍サーカス(米国/1939年)

カテゴリー:洋画記事編集

アメリカの古いコメディ・グループの1本。
これまた新品を安売りする期間限定の店で購入。

彼らの「オペラの夜」(アマで見たところ、「オペラは踊る」というタイトルで出ているものしかないみたいだけれども)というDVDを以前に買っていて、最近、映画好きの利用者さんに「マルクス兄弟とか見たことある?」なんて話をしていたこともあって、買いました。

まだ見てはいませんが、「オペラの夜」(「オペラは踊る」)が面白かったので期待しています。

マルクス兄弟珍サーカス 特別版 [DVD]マルクス兄弟珍サーカス 特別版 [DVD]
(2007/03/09)
マルクス兄弟

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2009年10月06日(Tue)

最近のお買いもの4:スティル・クレイジー(英国/)

カテゴリー:洋画記事編集

これまた新品を安く売る期間限定で出ていた店で購入。
これね、何年前だったかは忘れたけれども、ツタヤで借りて見ているんですよね。

1977年に解散したストレンジ・フルーツというバンドが、20年ぶりに復活。
しかしすでに、メンバーはいい歳のオッサンになってしまっていたのだった。
果たして頑張れるのか!?というような話。

これがね、すでに見たのがあまりに昔なのできちんと思い出せはしないのだけれども、おもしろかったこと、なにかワクワクしたことは覚えていたので買ってしまいました。
まだ再見してはいないけれども、最初はただのオッサンにしか見えないのに、だんだんと色気すら醸し出すロッカーになっていく、といった具合だったような。
元気になれる映画だったと覚えています。

スティル・クレイジー [DVD]スティル・クレイジー [DVD]
(2005/12/16)
スティーブン・レイジミー・ネイル

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