出演:ケネス・ブラナー ルパート・グレイブス
<あらすじ>
殺人犯を撃ち殺してしまったヴァランダー刑事(ケネス・ブラナー)は、心に傷を負い、家族と連絡も取らずに田舎町で静養をしていた。
しかしある日、友人が警察官としてのヴァランダーの力を貸して欲しいと、訪ねてくる。
父親が交通事故で死んだのだが、単純な事故死ではないと思っている、なによりも抜けるはずのない車のキーが床に落ちていたのはおかしい、調べなおしてもらいたいのだ、という内容だったが、決めかねて追い返してしまう。
しかし迷った末に、警察官として復職する。だが自分を頼って尋ねた友人が、首吊り自殺して発見されたことを警察署へ足を踏み入れてすぐに知ることとなった。発見者の秘書から、友人の父が脅迫されていた事実を知る。
友人の父親が事故を起こした場所にほど近い城に住む、大金持ちの篤志家(ルパート・グレイブス)に会いに行ったヴァランダーは、かつて少女を轢き殺してしまったことで警察官では居られなくなった男が、門番として雇われているのへ再会するのだった。
<感想>
見終わってから、英国の話ではなくスウェーデンの物語であったことを知ったほどに、予備知識なく見たのでしたが、これ、ツタヤディスカスにて「ルパート・グレイブス」で検索して出てきたので借りました。
主演は、ロンドンオリンピックの開会式で大きな役どころを演じていらした、シェークスピア俳優として有名なケネス・ブラナー。
推理モノなのであまり詳しい感想は書けないんですけれども。
まず、あれれ、この刑事さんどこかで見たことがあるよ?状態で鑑賞。
DVDを取り出したら名前が書いてあったので、なるほどあの人か、と思ったぐらいに、どういうものかをよく知らんで見終えました。
予備知識は、ルパートが出ている、というだけだったので、新鮮に楽しめました。
いや、シリーズの途中から見てしまったので若干不安でしたが、その辺りはシリーズ物なので、うるさくない程度に劇中に説明も出てくるので、大丈夫、だったのだと思います。
最初、これはいかん、なんだか鬱々した話なのかもしれん、と夜に見るには向かないかもしれんと感じましたが、あと30分で終了というぐらいまでに話が進んだ当たりからは、トントントーンと大きな話になっていきます。
鬱展開であることには変わりないんだけれどもね。
ヴァランダーと父、ヴァランダーと娘の間に出来た溝なんかまで、出てきてしまいます。
暗いというか描写が細かいというか、長く空けていた家の冷蔵庫の中身がカビだらけだったり、止めてあった車の屋根は鳥の糞だらけだったり、汗だくになって着替える際にカーテンで脇汗を拭っていたり、元刑事との再会にも不穏な空気がつきまとい、という具合。
話を聞いた事件関係者が目の前で死んだり、死にかけているのを発見して喉の切開をして助けるってのもあった。
気道の確保のために喉の切開をしてボールペンの軸を刺すってのは、この手の治療の定番なんだろうか?
とにかく、あと30分ほどになってからの展開はなかなかに大きな話で、何故に30分程度でまとめたんだろう、という気持ち。
犯人、巨悪過ぎです。
需要と供給のバランスとしては、そのぐらい巨悪でいいのかもしれんものの、しかしそんなにも需要を満たすだけの供給が行われる事態になったらば、簡単に悪事が露見するんではないか、という疑問も若干。
犯人の悪さ加減は、マイアミのあの人ならばものすごくひどく罵ってから、悩まずに射殺するレベルですww
そうして見ているこっちも、マイアミで起きたのだったらば、悩まずに射殺でOKとか思うレベル。
しかしそこはこれ。
ヴァランダー刑事は殺人犯を撃ち殺したという警察官らしいことをしたらしいというのに、それで何ヶ月も職場を離れていますからね。
詳しくは描かないですが、死んだものと死にゆく者と、死にはしないであろう上にスウェーデンの法律では死刑にならない者と、死刑にはならない者が気まぐれのような采配で殺した命たちのことを、考えざるを得ないお話ではあります。
さてさて。
ルパートは、既に年をとってからの姿を「シャーロック」で見ていたので、別段、心のなかに「眺めのいい部屋」でのフレディ・ハニーチャーチを演じた愛らしい彼(ちなみに姉さん役の女優さんよりも年上だったけど、無邪気な弟役でした)が微笑んでいても、そんなに違和感を感じない、というか、若い頃に幼い顔をしていたにしては。中年姿もショッキングではない、といいますか。
いえね、贅肉にちょいとショックですけれども。
ここから少しスクロールすると、軽いネタバレありなので、注意して下さい。
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あまりにも独善的な犯人の悪さ加減が相当なもので、やはり刑事と犯人が対峙する場面が、見所だと思います。
ヴァランダーの射殺事件と心の傷についてを冷静に暴いてみせ、戦慄の事実を平然と、捕まえられるわけがないと、理由をいくつも述べ、そんなシチュエーションであるにもかかわらず、子供っぽい笑顔を浮かべている犯人のことを見て、なんてこったい、ってな気持ちになりましたが、直後、ふと、「モンティ・パイソン人生狂騒曲」の中にあったとあるネタを思い出してしまい、ちょっとウケてしまったのでしたww
英国人にとってパイソンのネタは相当に知れ渡っているもののはずだから、同じ事を思い出した人も多いであろう題材だろうなぁ、などとww
犯人の笑顔はもちろん、元刑事の笑顔もまた、タイトルに絡んでいるんだろうか?
どうも完全に立ち直ったらしいヴァランダーも、笑ったのかもしれない。
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